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【医療費分析】特定疾患療養管理料算定条件見直しによる影響

#基礎知識

特定疾患療養管理料算定条件見直しによる影響

2024年6月に実施された診療報酬改定により、特定疾患療養管理料の算定対象から、高血圧、脂質異常症(遺伝性疾患を除く)、糖尿病のいわゆる生活習慣病3疾患(以下「3疾患」)が除外されました。

この改定は、患者一人ひとりに対するより細やかなケアを実現するため、生活習慣病管理料2への切り替えを促進する方針に基づいています。
医療の質の向上と効率化を目的とした改定となり、患者・医療機関の双方に大きな影響が及ぶものと考えられます。

『REZULT』では1,000万人超の匿名加工済みレセプトデータを活用し、改定前後の影響を定量的に把握する調査を実施しました。

診療報酬改定による外来医療費の変化

患者一人当たりの医療費の推移

改定前(2023年6月〜11月)と改定後(2024年6月〜11月)の医療費について、外来・入院・調剤などの種別ごとに分析しました。

全体的には微増傾向にある中、外来医療費だけが減少していることが確認されました。
一概には言えませんが、今回の調査対象となる特定疾患療養管理料の算定要件を始めとする、外来診療の効率化を目指した診療報酬の見直しが影響していることが考えられます。

【図1】診療報酬改定前後における患者一人当たり医療費の変化
(※患者一人当たり医療費=各レセプト種別における医療費合計 ÷ 発生患者数)

3疾患除外による算定状況の変化

患者における算定割合の変化

特定疾患療養管理料を算定されていた患者のうち、改定前後の算定割合が18.3%から9.7%へと半減に近い減少が確認されました。
生活習慣病が増加傾向にある40歳以上において大きな減少が見られ、多くの患者が3疾患での算定を受けていたことが分かります。

【図2】患者全体における特定疾患療養管理料の算定状況
※対象:外来(医科入院外)レセプト発生患

医療機関の算定割合の変化

医療機関でも同様に、改定前後で算定割合が約12ポイント低下しました。
特に有床クリニックや100床未満の病院で大きな減少が見られており、特定疾患療養管理料の算定が3疾患中心での算定が多かったことが推察されます。

【図3】医療機関全体における特定疾患療養管理料の算定状況
※対象:外来(医科入院外)レセプト発生医療機関

患者における影響調査(算定状況と医療費の変化)

特定疾患療養管理料算定患者における生活習慣病管理料1・2の算定状況

特定疾患療養管理料を診療報酬改定前に算定されていた患者のうち、約60%の患者にて生活習慣病管理料2の算定が確認できました。
移行が確認できなかった患者において6か月間の外来医療費に大きな減少傾向が見られました。
生活習慣病管理料2への移行が確認できた患者においても、移行が確認できなかった患者と比較し影響は小さいですが、医療費の減少傾向が見られました。

改定後算定状況
(特定疾患療養管理料、生活習慣病管理料1・2)
患者割合患者1人当たり医療費/6か月医療費の変化
改定前改定後
①特定疾患療養管理料11.31%75,82272,357-3,465
②特定疾患療養管理料+生活習慣病管理料0.29%51,33454,9393,606
③特定疾患療養管理料+生活習慣病管理料2.70%45,07144,760-311
④特定疾患療養管理料+生活習慣病管理料1&0.02%58,27859,6601,382
⑤生活習慣病管理料3.21%32,80235,5682,765
⑥生活習慣病管理料60.11%32,73730,673-2,064
⑦生活習慣病管理料1&0.28%37,92741,2853,358
⑧未算定4.46%70,81263,734-7,078
⑨通院歴なし(退職、転院、治療中断等)17.62%34,724

【表1】診療報酬改定前後の算定状況による医療費の変化

 【図4】診療報酬改定前後の特定疾患療養管理料、生活習慣病管理料1・2の算定状況による医療費の変化

医療機関における影響調査(算定状況と医療費の変化)

医療機関全体(3疾患が主病のレセプト以外も含む)

医療機関の病床規模別に患者一人当たり医療費の変化を比較したところ、病床規模の大きな医療機関の方が医療費の変動が小さい傾向にあることが分かりました。

医療機関種類施設割合受診患者1人当たり医療費医療費の変化
改定前改定後
①診療所・クリニック(無床)85.91%25,75724,162-1,595
②診療所・クリニック(有床)5.06%29,38828,867-521
③病院(20床以上100床未満)4.76%29,36629,111-255
④病院(100床以上200床未満)4.28%31,40031,768368

【表2】特定疾患療養管理料算定医療機関における医療費の変化(対象医療機関の受診患者全体を対象)

3疾患が主病のレセプト

3疾患を主病としたレセプトに限定すると、全ての病床規模で減少傾向にあることが分かり、特に有床のクリニック・診療所、100床未満の病院で減少幅が大きい傾向にあることが分かりました。

医療機関種類施設割合受診患者1人当たり医療費医療費の変化
改定前改定後
①診療所・クリニック(無床)85.91%40,05535,481-4,573
②診療所・クリニック(有床)5.06%59,57952,209-7,370
③病院(20床以上100床未満)4.76%53,29945,477-7,822
④病院(100床以上200床未満)4.28%48,11246,094-2,018

【表3】特定疾患療養管理料算定医療機関における医療費の変化(3疾患が主病のレセプトを対象)

【図6】同上(3疾患が主病のレセプトを対象)

まとめ

生活習慣病3疾患の重症化予防・医療費の抑制は国民の健康・皆保険制度の維持に対し重要な指標となるため、今後も注視していきたいと考えています。

【参考資料】
令和6年度診療報酬改定の概要【外来】(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001218897.pdf

【集計条件】
利用データベース:当社の保有するレセプトデータベース(約1,000万人 2025年4月時点)
調査対象:診療報酬改定前に特定疾患療養管理料の算定があった医療機関及び患者の医科外来レセプトデータを対象に調査
調査期間:診療報酬改定前:2023年6月~2023年11月、診療報酬改定後:2024年6月~2024年11月のそれぞれ6か月間

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