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レセプトデータとは?診療報酬請求の基礎知識と保険診療の関係を解説

#レセプトデータ

はじめに

病気にかかった際、私たちは医療費の一部を負担するだけで医療機関を受診できます。
この仕組みを支えているのが「レセプトデータ」です。

この記事では、保険診療を支えている「レセプトデータ」にフォーカスして、レセプトデータと保険診療の関係や、レセプトデータが活用される場面について詳細に解説します!

レセプトデータとは?

レセプトデータとは、保険診療を行った医療機関が患者の治療内容をもとに保険者(健康保険組合、共済組合、全国健康保険協会[協会けんぽ]、国民健康保険組合など)へ医療費を請求するための「診療報酬明細書」と呼ばれるデータのことです。

審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金など)、及び保険者が診療内容を審査し、適正と判断された医療行為に対して支払いが行われる仕組みです。

レセプトデータと保険診療

保険診療におけるレセプトデータについて、医療機関と保険者それぞれの視点からご説明します。

みなさんは医療機関で診察や治療を受けると診療費の1〜3割を自己負担として窓口で支払います。
これは医療機関が残りの7〜9割を保険者へ請求し、保険者に支払ってもらうことによって成り立っています。

保険者は医療機関が作成したレセプトデータをもとに、適正な医療行為と判断したものに対して支払いを行います。
診療内容が過剰であるなど適正でないと判断された場合は、減額等の申し出を行う場合もあります。

レセプト業務の流れ

レセプトデータは以下の4ステップで作成されています。

  1. 1.診療データを入力する
  2. 2.レセプトを作成する
  3. 3.レセプトの点検(確認)
  4. 4.レセプトの提出

レセプト業務について詳しくは『REZULTに収載されているレセプトのできるまで(診療報酬の請求業務、請求先などについて解説)』をご覧ください。

レセプトデータの種類

ここまでレセプトデータと保険診療について解説してきました。
ここからはレセプトデータの種類や記載されている情報について解説します。

レセプトデータには以下の5種類があります。

  1. 1.医科レセプト
  2. 2.DPCレセプト
  3. 3.調剤レセプト
  4. 4.歯科レセプト
  5. 5.訪問看護レセプト

それぞれ発行元が医科レセプトの場合は病院やクリニック、DPCレセプトは厚生労働省が決定したDPC対象病院、調剤レセプトは調剤薬局、歯科レセプトは歯科医院、訪問看護レセプトは訪問看護ステーションとなっています。

では、レセプトに記載される具体的な内容や項目を詳しく見ていきましょう。

レセプトデータからわかる診療の記録

レセプトデータからは患者さんがどんな病気で、どんな検査や治療を受けたのかなどを知ることができます。
また、いつ治療が行われたか掲載されているので、時系列で患者さんの治療や状態を確認できます。

主な内容としては下記のような項目が挙げられます。

  • ・傷病名・診療開始日
  • ・手術や検査などの診療行為・診療日
  • ・処方された医薬品・処方日/調剤日
  • ・医療費(請求点数 1点=10円)

レセプトデータとDPCデータとの違い

レセプトデータとよく混同されるデータとして、「DPCデータ」があります。
ここではレセプトデータとDPCデータの違いについて、ご説明します。

レセプトデータは病院・診療所・調剤薬局など保険診療を行った医療機関で作成される「診療報酬明細書」のことで、患者さんがどのような病気で受診し、どのような治療を受け、どのような薬が処方されたかといった情報が含まれています。

一方、DPCデータはDPC対象病院として認可された一部の病院のみが作成するデータです。DPCデータは厚生労働省へ提出するデータであり、DPC導入の影響評価のために利用されるデータとなっています。

疾患の重症度や退院時の転機、といったレセプトデータには無い患者さんの詳細情報まで含まれているのが特徴です。

レセプトデータの活用

レセプトデータは医療費の請求以外にも活用されています。
最後にレセプトデータが活用される場面や活用事例について、ご紹介します。

健康保険組合

医療費適正化に向けた分析やその結果から得られた課題への施策実行、及び効果検証にレセプトデータが用いられています。
代表例として、有病未治療者に対する医療機関への受診勧奨や多剤・重複服薬者の服薬状況を適正化するための事業があります。

製薬企業

薬の有効性や安全性の調査、処方トレンドや医薬品シェアの分析に用いられています。
また、患者数や有病率を分析し、疾患・治療の情報提供を行う事業にも利用されています。

コンサルティング会社

製薬企業をはじめとするクライアントの抱える課題の深掘りや、施策の緻密な設計には欠かせないデータです。
地域格差や疾病動向の可視化、施策の効果分析などに活用されています。

まとめ

今回は「レセプトデータとは」について解説しました。

レセプトに含まれるデータは医療費の請求だけでなく、健康保険組合等の加入者の健康増進事業に利用されたり、製薬企業のマーケティングや、研究者の基礎データとして利用されるなど、様々な場面で活用されています。

近年では医療ビッグデータとしての分析・活用が進み、政策や医療技術の発展にも寄与しています。
正しく理解し、その潜在的な価値を引き出すことは、今後の医療業界においてますます重要となるでしょう。

当社では1,000万人を超える匿名加工済みのレセプト・健診データ等の医療リアルワールドデータによる地域差分析やペイシェントジャーニー(※1)などアドホックな分析やデータの販売を行っております。
気になる点、詳しく知りたい点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

※1 患者が病気を認知し、医療機関へ受診、そして治療となるまでの一連のステップ。

この記事を書いた人

安井 荘志

日本の医療制度維持に貢献できると感じ入社。主に健康保険組合、共済組合の業務に精通し、業務支援システムやレセプトデータを用いた分析の提案販売を行っている。WEBマーケティング領域も担当している。趣味はスポーツ観戦。

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